虫垂炎(盲腸)の手術は、腹腔鏡手術と開腹手術のどちらがいいのでしょうか?
外科医の院長松下が、虫垂炎の手術について解説します。
虫垂炎(盲腸)で行う腹腔鏡手術と開腹手術の比較
国際的なガイドラインでは、虫垂炎(盲腸)の手術は開腹手術よりも腹腔鏡手術を推奨しています。
腹腔鏡手術は、傷が小さい、痛みが軽い、入院期間が短い、社会復帰が早い、生活の質(QOL)が高い、術後の癒着(腸閉塞)が少ない、傷の感染が少ないなどの利点があります。
一方で、直接病変を触れないのが欠点になります。
虫垂炎で行う腹腔鏡手術と開腹手術の特徴
当院の 腹腔鏡手術 | 腹腔鏡手術 | 開腹手術 | |
傷口 | 3〜5mmの 穴が3ヶ所 | 5〜12mmの 穴が3ヶ所 | 数cmの 傷が1ヶ所 |
痛み | 軽い | 軽い | 痛い |
術後の癒着 | 少ない | 少ない | やや多い |
入院期間 | 日帰り | 3〜7日間 | 1週間前後 |
2023.01.01
虫垂炎(盲腸)の日帰り手術について
急性虫垂炎(盲腸)とは? 急性虫垂炎(盲腸)とは、虫垂の内腔が閉塞することで血流やリンパ流が障害され、細菌が増殖し虫垂が腫れる病気で、俗に盲腸と言います。 生涯発生率は6-8%で、10-30歳に多く、腹痛の中で手術になりうる、最も頻度の高い腹部救急疾患です。 放置すると虫垂が腐って、穴があ...